アルコールの糖尿病への影響
- アルコールは糖新生の阻害作用により、空腹時のアルコール大量摂取は低血糖を引き起こす。
- アルコールはエンプティ―カロリーともいわれ、1 g=7 kcalである。食事療法を守った上でアルコールを摂取すれば、その分カロリーオーバーとなる。逆にアルコールもカロリー計算に入れて食事量を減らせば栄養素が不足する。
- またアルコールは食欲増進作用もある。
- アルコール依存症で肝硬変や慢性膵炎を伴った場合、肝硬変ではインスリン抵抗性の状態となり、慢性膵炎ではインスリン分泌能が低下する。
- アルコールを飲む群では網膜症の頻度が高いとの報告がある。神経障害においては、増悪方向に働く。
- アルコールは脂肪と一緒に摂取すると血中中性脂肪は高値となる。またカテコラミンの分泌増加を介して遊離脂肪酸を増加させ、さらに肝臓における中性脂肪の合成・分泌が亢進し、やはり高中性脂肪血症となる。
- 慢性的なアルコール多飲は交感神経系を刺激し、高血圧を導く。*1
*1:太田一樹 - 日本健康医学会雑誌, 1996