栄養評価
アルブミン(Alb)を使った栄養状態や免疫能を評価する方法
- CONUT法…Alb・総リンパ球・T-cholの3項目の値をスコア化して栄養状態を知る方法
-
CONUT
正常
軽度異常
中等度異常
高度異常
数値
スコア
数値
スコア
数値
スコア
数値
スコア
ALB
≧3.5
0
3.0~3.49
2
2.5~2.99
4
<2.5
6
TLC(総リンパ球数)
≧1600
0
1200~1599
1
800~1199
2
<800
3
T-cho
≧180
0
140~179
1
100~139
2
<100
3
栄養不良レベル
正常から軽度異常
中等度への移行期
中等度異常
高度異常
0~3
4
5~8
9以上
- PNI…術後の予後栄養指数の判定 Alb・総リンパ球(TLC)を用いた計算式
PNI=(AlbX10)+(TLCX0.005)
40≦切除・縫合禁忌
アルコールの糖尿病への影響
- アルコールは糖新生の阻害作用により、空腹時のアルコール大量摂取は低血糖を引き起こす。
- アルコールはエンプティ―カロリーともいわれ、1 g=7 kcalである。食事療法を守った上でアルコールを摂取すれば、その分カロリーオーバーとなる。逆にアルコールもカロリー計算に入れて食事量を減らせば栄養素が不足する。
- またアルコールは食欲増進作用もある。
- アルコール依存症で肝硬変や慢性膵炎を伴った場合、肝硬変ではインスリン抵抗性の状態となり、慢性膵炎ではインスリン分泌能が低下する。
- アルコールを飲む群では網膜症の頻度が高いとの報告がある。神経障害においては、増悪方向に働く。
- アルコールは脂肪と一緒に摂取すると血中中性脂肪は高値となる。またカテコラミンの分泌増加を介して遊離脂肪酸を増加させ、さらに肝臓における中性脂肪の合成・分泌が亢進し、やはり高中性脂肪血症となる。
- 慢性的なアルコール多飲は交感神経系を刺激し、高血圧を導く。*1
*1:太田一樹 - 日本健康医学会雑誌, 1996
原発性アルドステロン症 スクリーニング検査
原発性アルドステロン症とは
片側性(主にアルドステロン産生腺腫)
両側性(主に特発性アルドステロン症)に大きく分けられる。
高血圧があり、低K血症が認められ(頻度は5~38%)、血漿レニン活性低値、血漿アルドステロン濃度上昇を認める場合、原発性アルドステロン症を考える。
スクリーニング検査
血漿アルドステロン濃度(PAC)、血漿レニン活性(PRA)を安静座位15分または安静臥位30分後に同時測定する。
PAC(pg/ml)/PRA(ng/ml/h)比(ARR)>200 ※単位に注意!
※さらにPAC>120 pg/mlを併用すると特異度が高くなる
スクリーニング検査の際には、未治療または一定期間休薬後に測定することが望ましい
可能であれば降圧薬を最低2週間以上は中止する
中止できない場合には、利尿薬、アルドステロン拮抗薬、β遮断薬以外の降圧薬(血管拡張薬、α遮断薬、Ca拮抗薬など)に変更した後で評価を行う。
*1:病気がみえる vol.3 第5版
メトホルミンとビタミンB12欠乏性貧血
メトホルミンに伴うビタミンB12欠乏は5~30%におきると言われている
一般的には 5~10 年後の経過を経て発症するとされている
投与期間が 3 年以上または投与量が 1000 mg/日増加する毎にリスクが高くなるとの報告がある
ビタミン B12欠乏状態においては,巨赤芽球性貧血や末梢神経障害などが発症する可能性がある.
メトホルミン投与でより重度の末梢神経障害をきたしたとの報告もある
インスリンと比較して、スルホニル尿素薬との併用例の方が有意にビタミン B12の減少を認めている
プロトンポンプ阻害薬やヒスタミン H2受容体拮抗薬の長期間の服用によってもビタミン B12欠乏を来たすとされている
メトホルミンによるビタミン B12吸収障害の機序としては,腸運動の変動,腸内細菌の過剰繁殖の促進,回腸におけるビタミン B12―内因子複合体のカルシウム依存的吸収の阻害作用などが報告されている
*1:糖尿病 60(2):98~102,2017