メトホルミンとビタミンB12欠乏性貧血
メトホルミンに伴うビタミンB12欠乏は5~30%におきると言われている
一般的には 5~10 年後の経過を経て発症するとされている
投与期間が 3 年以上または投与量が 1000 mg/日増加する毎にリスクが高くなるとの報告がある
ビタミン B12欠乏状態においては,巨赤芽球性貧血や末梢神経障害などが発症する可能性がある.
メトホルミン投与でより重度の末梢神経障害をきたしたとの報告もある
インスリンと比較して、スルホニル尿素薬との併用例の方が有意にビタミン B12の減少を認めている
プロトンポンプ阻害薬やヒスタミン H2受容体拮抗薬の長期間の服用によってもビタミン B12欠乏を来たすとされている
メトホルミンによるビタミン B12吸収障害の機序としては,腸運動の変動,腸内細菌の過剰繁殖の促進,回腸におけるビタミン B12―内因子複合体のカルシウム依存的吸収の阻害作用などが報告されている
*1:糖尿病 60(2):98~102,2017